一般社団法人全国心理業連合会(全心連)ウクライナ「心のケア」交流センターでは、関東だけではなく、関西在住のウクライナ避難民の方々への心のケア交流会も行っておられます。お聞きするところでは、関西のウクライナ避難民の方々は、ウクライナの方々が集まって話をしたりする機会があまりないようで、関西で交流会を実施すると「こんなにウクライナ語で話したのは久しぶり」という声がよくあるとのことです。それだけ、関西のウクライナ避難民の方々は孤独感を抱えやすい状況にあるということだと推測されます。
ウクライナへの侵攻から1年となる2月、全心連は日本にいるウクライナの方にメンタルヘルスアンケートを実施されました。身体と心について「過覚醒(眠れない・身体が緊張している・感覚が敏感になっている・イライラするなど)」に関する項目の数値が高く、神経を休め、心を落ち着かせていく必要性があることが示唆されました。それであれば、関西在住のウクライナ避難民の方々にとっては、自然の中でリラックスし、ウクライナの方々同士でコミュニケーションを取る、ネイチャーセラピーが大変有効ではないかと考えました。そこで、ウクライナ「心のケア」交流センターとしても初の1泊2日の小旅行を、日本財団のウクライナ避難民支援助成プログラムの助成をいただき、桜の美しい京都で実施することにいたしました。
◆1日目 10:00 京都駅集合
事前にGoogleマップで場所を伝えてはいましたが、神戸から来る方もおられ、待ち合わせ場所、わかるかな・・・?と心配しながら待ちました。迷った方もおられましたが、なんとか、無事全員集合!バスで京都・亀岡市に向かいました。
◆1日目 11:40 亀岡市到着
「京都・亀岡 保津川下り」をみんなで体験。鳥、亀、魚などを見つけつつ、きれいな桜を眺めつつ、時には急流をエキサイトしながら楽しみました。
◆1日目 13:45 嵐山に到着、自由時間
◆1日目 17:30 亀岡市着
自由に散策した後、バスで再び、亀岡市へ。今回は、特定非営利活動法人NPO亀岡人権交流センターさんのおもてなしです。自由民主党副幹事長 衆議院議員 田中英之先生もお越しになり、ウクライナ避難民のみなさまにメッセージをお伝えくださいました。
疲れを癒すためにみんなで温泉へ。渓山閣のおかみさんがとてもよくしてくださいました。夕食前にはウクライナ「心のケア」交流センター代表、亀岡市議会議員の先生方からご挨拶、NPO亀岡人権交流センター杜恵美子代表の心あたたまるメッセージをいただき、夕食タイム。
NPO亀岡人権交流センター友永まや様からのご挨拶をいただき、夕食タイム終了。でも、まだまだ話が尽きないのか、二次会へ。24時過ぎまで話が尽きない様子でした。
◆2日目、午前中、金剛寺へ
2日目のお天気は、雨。雨音を聴きながら静かに時間を過ごすことになりました。金剛寺の住職が、ウクライナのために平和法要を行ってくださいました。お参りをしたあとはみんなでお茶をいただきました。住職の奥様のとても素敵なパッチワークや手作り人形、生け花、和紙などにウクライナの方々は非常に興味深くご覧になっていました。
◆2日目 13:30 亀岡出発、嵐山へ
ハンドマッサージで疲れを癒した後、亀岡をあとにしバスで嵐山へ。NPO亀岡人権交流センターのみなさんが最後までお見送りして下さいました。嵐山で昼食をいただき、みんなで雨音を聞きながら最後の嵐山の景色を眺め、京都駅に向かいました。
◆2日目 16:20 京都駅でお別れ
無事、京都駅に到着。この2日間でみなさんすっかり仲良くなり、帰るのが名残惜しそうでした。お別れのハグセッションをし、京都駅をあとにしました。
◆まとめ
春爛漫の京都、川下りをしながら自然を眺め、桜やいろんな花が咲くきれいな景色は、心が和み、穏やかになっていったのではないかと感じます。また、少人数の1泊2日の小旅行は、ゆっくり話す時間もたくさんあり、ウクライナの子どもたちと日本の子どもたちが一緒に遊ぶ時間も多く、コミュニケーションを深めるとても貴重な機会だったのではないかと思います。今回、大人の参加者は女性ばかりだったこともあり、女性同士での世間話も、なにげない日常を取り戻す機会でもあったように思います。帰り際には「すばらしかった」「たくさん話せて本当に楽しかった」「心からありがとう」という声をたくさん聴きました。
心からゆったりと、落ち着くことができるような時間は、つらく悲しい現実が続くウクライナ避難民の方々にとっては、なかなかないことなのかもしれません。今回の機会が関西ウクライナ避難民の方々にとって、孤独感を癒し、この時だけは気持ちをゆったりさせ、心から笑ったり話せたりする時間であったなら嬉しいです。
主催:
特定非営利活動法人ヒューマン・アニマル・インタラクション協会(H.A.I.協会)
一般社団法人全国心理業連合会(全心連)ウクライナ「心のケア」交流センター
場所:京都 嵐山・亀岡
対象:ウクライナからの避難民の方
担当:ウクライナ「心のケア」交流センター在日ウクライナ人スタッフ、日本人ボランティア、全心連公認プロフェッショナル心理カウンセラー(話を聴くプロ)ボランティアスタッフ
参加人数:35名(ウクライナ避難民、スタッフ等を含む)
----- 本企画は下記の皆様にご後援、ご協力をいただきました。改めて心より御礼申し上げます。ありがとうございました。 後援:一般社団法人プロフェッショナル心理カウンセラー協会 助成:公益財団法人日本財団 協力:株式会社アイディアヒューマンサポートサービス
特定非営利活動法人NPO亀岡人権交流センター