2022年度日本財団助成事業完了報告書
(特定非営利活動法人ヒューマン・アニマル・インタラクション協会)
1.事業目的および内容
日本財団のウクライナ避難民支援助成プログラムの支援を受け、ウクライナ避難民、日本在住者(在日ウクライナ人、日本人等)を対象とし、アニマルセラピー的かかわり活動(T.A.A.A./Therapeutic Animal Assisted Activity)とネイチャーセラピーによる心のケアを実施した。動物や自然とふれあうことで、戦争によるトラウマやストレスを緩和し、心の痛みをやわらげることをめざす。
2.方法
期間:2022年10月~2023年3月
場所:外部会場
対象:ウクライナ避難民、日本在住者(在日ウクライナ人、日本人等)
3.実施状況
期間中、計13回のアニマルセラピー的かかわり活動、ネイチャーセラピーを実施した(詳細は下記の実施レポート参照)
2022/10/30ウクライナ避難民に対する「サドルバック牧場 アニマルセラピー的心の休日」第3弾
8:30~20:30、サドルバック牧場で実施
8月から始まったプログラムで、大変人気があり11月まで定期開催することを決定。神奈川・小田原にあるサドルバック牧場にご協力をいただき、自然や動物とふれあうことで心を落ち着かせていただければと思い企画。
参加人数:24名(ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
https://www.j-hai.org/post/20221030report-ukrodawarataaa
2022/11/13ウクライナ避難民に対する「サドルバック牧場 アニマルセラピー的心の休日」第4弾
8:30~20:30、サドルバック牧場で実施
この日は、小田原市長も視察に訪れました。
参加人数:30名(ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
https://www.j-hai.org/post/20221113report-ukrodawarataaa
2022/12/4ウクライナ避難民に対するアニマルカフェでのT.A.A.A.
16:00~20:00、原宿犬カフェにて実施
ウクライナ本国では、犬や猫を飼っている方も多いとお聴きし、身近な動物とのふれあいとして企画。
参加人数:46名(ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
https://www.j-hai.org/post/20221204report-ukrcafetaaa
2022/12/11ウクライナ避難民に対するアニマルカフェでのT.A.A.A.を開催
15:00~20:00、渋谷猫カフェにて実施
犬カフェに続き、猫カフェで実施。
参加人数:48名(ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
https://www.j-hai.org/post/20221211report-ukrcafetaaa
2022/12/23-12/24ウクライナ避難民に対する箱根でのネイチャーセラピー
共催:在日ウクライナ大使館
箱根にあるホテル ジェムスティーイン箱根・芦ノ湖のご協力をいただき、ウクライナの建国記念日の8月24日とウクライナへの侵攻が始まった2月24日に合わせて、毎月24日-25日に箱根でのネイチャーセラピーを1泊2日で企画
参加人数:9名(ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
https://www.j-hai.org/post/20221223report-ukrhakone
2023/1/16ウクライナ避難民に対するアニマルカフェでのT.A.A.A.
17:00~19:00、原宿犬カフェにて実施
意欲もなく外出しようとしない娘さんを心配する母親から、犬とふれあえるということであれば外出してくれのではないかという相談を受け、第2弾を企画。今回より、実施後にアンケートを実施
参加人数:36名(ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
https://www.j-hai.org/post/20230116report-ukrcafetaaa
2023/1/22ウクライナ避難民に対する伊豆でのネイチャーセラピーを開催
10:00~20:00、伊豆高原にて実施
ティーンエイジャーや1人で避難をされている方を対象として企画
参加人数:18名(ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
https://www.j-hai.org/post/20230122report-ukrizu
2023/1/24-1/25ウクライナ避難民に対する箱根でのネイチャーセラピー
共催:在日ウクライナ大使館
箱根にあるホテル「ジェムスティーイン箱根・芦ノ湖」のご協力をいただき、2回目として1泊2日で企画
参加人数:9名(ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
https://www.j-hai.org/post/20230124report-ukrhakone
2023/2/12ウクライナ避難民に対するアニマルカフェでのT.A.A.A.
13:00~15:00、原宿アニマルカフェにて実施
チンチラやウサギ、カワウソなどの動物がいるアニマルカフェで企画
参加人数:64名(ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
https://www.j-hai.org/post/20230212report-ukrcafetaaa
2023/2/24-2/25ウクライナ避難民に対する箱根でのネイチャーセラピー
共催:在日ウクライナ大使館
箱根にあるホテル「ジェムスティーイン箱根・芦ノ湖」のご協力をいただき、3回目として1泊2日で企画
参加人数:9名(ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
https://www.j-hai.org/post/20230224report-ukrhakone
2023/3/19ウクライナ避難民に対するアニマルカフェでのT.A.A.A.
17:00~19:00、原宿アニマルカフェにて実施
戦争のトラウマによる過覚醒やフラッシュバックなどに苦しんでいる方が多いため、心が安らげる機会として動物のあたたかさを感じて欲しいと思い企画
参加人数:60名(ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
https://www.j-hai.org/post/20230319report-ukrcafetaaa
2023/3/25-3/26関西在住のウクライナ避難民のためのネイチャーセラピーによる心の癒しとリラクセーション
関西ではウクライナ人同士が集まる機会があまりないため、孤独感を抱えやすい状況にあることから、1泊2日のネイチャーセラピーを京都で企画
参加人数:35名(ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
https://www.j-hai.org/post/20230325report-ukrkyoto
2023/3/30-3/31ウクライナ避難民に対する伊豆でのネイチャーセラピー 第2弾
秋以降に日本に避難されてきた方や、一人で避難されている方を対象に1泊2日で企画
参加人数:13名(ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
https://www.j-hai.org/post/20230330report-ukrizu
4効果など
全心連ウクライナ「心のケア」交流センターの取り組みに賛同し、ウクライナ避難民がその時その時に必要とされる取り組みを実施してきた。在日ウクライナ大使館からの依頼にも応えながらの取り組みとなったが、結果、2023年2月に一般社団法人全国心理業連合会が行ったメンタルヘルスアンケートでも、戦争トラウマによる極度の緊張状態や過覚醒状態にある方が多かったことから、本事業では適切なアプローチを行うことができたと言える。
アニマルセラピーやネイチャーセラピー実施後は、リラックスできた、楽になった、気持ちが落ち着いた、元気が出た、セラピーの時間だけは自分の問題を忘れることができたなど、実施したことにより、精神安定や癒し、気持ちを前向きにする効果があったことが実施アンケートからも確認できた。
また、伊豆のネイチャーセラピーでは、秋以降の避難民で、かつティーンエイジャーやお1人で来られている方を対象としたり、京都でのネイチャーセラピーは孤立状態にある関西のウクライナ避難民と対象としたが、参加された方からは、この催しにより友達ができたという話をいただいている。孤立状態にある人を自然や動物とのかかわりにより、人とのかかわりにつなげていけたことは大きな成果であると考える。